青森ヒバが紡ぐ「健康」と「快適」

私たちの住まいは三世代、四世代と住み継がれ、そこに生活する人々の絆として安息の空間を提供します。健康や快適も、自然素材を使わないとどうしても冷たかったり、劣化が早かったりする。そのような自然素材を活かしながら、骨太な空間をシンプルにつくって、大きな屋根の下にいる安心感というものを演出していきたいと考えています。
最終的にはどこかリゾートにいるような感覚の家にしたい、というのが青ヒバの家のコンセプトですね。木の家を都会につくることは「都市に森をつくる」ことであり、「家にて森に住む」ことだと言えるでしょう。木の持つ力をもっともっと引き出し、五感を越えた第六感の家づくりを推進し、都市と森の共存を図っていきたいと思っています。
また、現在は地球環境を保つことが最重要課題になっていますが、青ヒバの家の作り方と住まい方の工夫で省エネルギーを果たせるし、ひいては地球温暖化を防げる。まさにエコロジカルでエコの家が青ヒバの家なんですよ。

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本年4月23日の朝日新聞の記事ですが、東京都の調査が発表され、都内に住む3歳児の約40%が何らかのアレルギー疾患を持っていることがわかりしました。そこには食物アレルギーも含まれていますが、それは全体の約14%ほど。いちばん多いアトピー性皮膚炎とアレルギー性鼻炎で全体の約30%を占めているそうです。
安価な建材や工業製品で使われる塗料や防腐剤、接着剤などから化学物質が揮発され、2003年からシックハウス法が施行されています。これは化学物質を発散する建材の使用を規制するものですね。ところがシックハウス法ができてから7年も経つのに、まだそれほどアレルギー疾患が蔓延している。記事を読んで私は本当に驚きました。
青ヒバは心地よい快適感をもたらしてくれるばかりではない。薬と違うので直接的な治療の効果は云々できませんが、青ヒバ材には抗菌性能を持つヒノキチオールがあるので、アレルギー対策に優れた効能があるのではないかと感じています。
現在は高齢化社会が進み、バリアフリーの家づくりなどが流行していますが、それは単に床を平らにしたり、手すりを付ければいいという問題だけではありません。それ以前の家づくりと空間性能を素材から考える必要があるのではないか、と私は思います。

私たちの住まいづくりを説明すると、まず構造の骨組み。土台や柱の、一階回りはシロアリに特に強い青森ヒバを使います。梁と二階の一部の柱には杉や赤松。また屋根下地には無垢材の厚板30mmから45mmのものを使います。これを使うことで太陽光発電パネルを載せても問題がないだけでなく、断熱効果をもたせているのです。木は熱伝導率、つまり熱容量が低く、断熱材としては最適なんですよ。屋内側では小屋裏部屋として空間の有効利用ができます。
内装では漆喰を多く使っています。なかでも青森特産のホタテの貝殻を入れたものを使用していますが、これはとても優れた光沢を持っていて、壁の汚れも付きにくくなりますね。ご存知のように貝殻の内側には独特の艶があり、この艶を利用しているわけです。また「ひび割れを防止する」という機能もあります。そのほかにも、珪藻土や和紙、天然土壁など、なるべく自然のものを使うようにしています。

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そして、できるだけ大きな空間をシンプルにつくります。家の中は家具にしても間仕切りにしても、そこに住む人が自分たちのこだわりの家具を持ち込むかアウトレット品を使えばいい。しかも、家自体には自然の光を思いきり取り込んでいく。そういう空間を基本にしています。考えてみれば、人間は一生のうち半分近くを家で過ごすわけですから、住まいの環境は本当に大切なんですよね。光があふれて広がりを感じる家、終の住処としても大きな屋根の下の家。できるだけシンプルで収納上手な家というのが大事だと思います。

市川総合設計室 <青ヒバの会> 代表
市川皓一氏
昭和18年東京生まれ。昭和48年市川総合設計室設立。昭和58年 
住まいづくりの会<青ヒバの会>設立(本年で38年目)、代表幹事。平成2年(株)青ヒバの会ネットワーク設立、代表取締役。一級建築士。日本建築家協会会員。青森県の魅力をPRする「元気あおもり応援隊」プロデューサーも務める。最近では森林力と環境をテーマに「森の駅発」のホームページがオープンしました。